
眠る時間は、自分を大切にする静かな選択。たった1時間、早めの眠りが未来の心臓を守ってくれるかもしれません。
「夜、ついついスマホを見続けてしまって…気づけばもう深夜1時。」
そんな日、ありませんか?
忙しい毎日。眠る時間が遅くなるのは、誰にでもあることです。
でも、もし「いつ寝るか」が、未来の自分の“心臓の健康”に関わっているとしたら──
ほんの1時間の違いが、大きな差になるかもしれません。
「何時に寝るか」と「心臓や脳の病気になるリスク」の関係を、約88,000人ものデータから明らかにした大規模研究があります。

🛌 研究の目的は?
この研究では、「いつ寝るか(就寝時間)」と「心臓や脳の病気(心血管疾患:CVD)を将来発症するリスク」との関係を明らかにしようとしました。
特に注目したのは、「加速度計という機械(腕時計型の活動量計)で正確に測った就寝時間」と「心血管疾患(心筋梗塞、脳卒中、心不全など)」との関連です。
📊 誰の何を調べたの?
- イギリスのUK Biobank(UKB)という大規模調査に参加した人の中から選びました。
- 合計88,026人(43〜79歳、男女)のデータを使いました。
- そのうち手首に加速度計を1週間装着し、日常生活の中での睡眠時間・タイミングなどを記録しました。
🔍 何を分析したの?
✅ 分析したこと
- いつ寝ていたか(就寝時間:Sleep Onset Time, SOT)
- どれくらい寝ていたか(睡眠時間)
- 睡眠のばらつき(不規則さ)
- 性別・年齢・生活習慣病など他の要因
✅ 分け方
- 午後10時以前
- 午後10時~午後10時59分
- 睡眠開始 午後11時~午後11時59分
- 午前12時以降
❤️ いつ寝るとリスクが高い?
5.7年間の追跡期間で3,172人(約3.6%)が心血管疾患を発症しました。
リスクの高さを比較すると…
- 午後10時以前 約1.24倍リスクが高い
- 午後10時~午後10時59分 ── 基準 ──
- 午後11時~午後11時59分 約1.12倍リスクが高い
- 午前12時以降 約1.25倍リスクが高い
※すべての結果は、年齢・性別・睡眠時間・生活習慣病など多数の要因を調整したうえでの値です。
🧬 男女差にも注目!
さらに詳しく調べると、この傾向は女性で特に強く出ていました。
詳細は以下の通りです。
女性では
- 午前12時以降に寝る → 1.63倍のリスク
- 午後10時より前に寝る → 1.34倍のリスク
男性では
- 22時より前だけが有意で1.17倍のリスク
- 他の時間帯では有意差なし
🧠 なぜ就寝時間が関係あるの?
- 私たちの体には「体内時計(サーカディアンリズム)」があり、適切な時間に寝ることが心臓や血管の健康維持に重要と考えられています。
- 遅寝や早寝すぎは、このリズムを乱し、高血圧、糖尿病、炎症などの原因になる可能性があります。
⚠️ 注意点もあります
- 対象者は「比較的健康で裕福な白人」が多く、他の人種や生活背景では違う結果かも
- シフト勤務のデータが限定的で、深夜勤務者は十分に評価されていない
- 7日間のデータが「いつもの睡眠パターン」と一致していない場合もある
📝 最後にまとめ!
✅ 22時〜23時の就寝が心臓に最も優しい
✅ 遅すぎても、早すぎてもリスクが上がる(U字型の関係)
✅ 特に女性でリスク上昇が顕著(0時以降は注意!)
✅ スマートウォッチでの予防医療や健康管理に応用できる可能性

「たった1時間の違い」で未来の健康が大きく変わる——
それは、毎日をがんばる私たちにとって、無理せずできる最高のセルフケアかもしれません。
眠りは、明日のあなたをつくる時間。
ちょっとだけ、早く目を閉じてみませんか?
心も体も、きっと、そっと喜んでくれるはずです。
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ご覧いただきありがとうございます
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漢方薬局・鍼灸接骨院
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《タナココ》
👣補足
「睡眠のゴールデンタイムはない」というのは最近よく聞きますが、本当ですか? この研究と矛盾していないですか?
とても良い視点です
「睡眠のゴールデンタイムはない」と言われることと、今回の研究で示された「22時〜23時の就寝が心臓に最も良い」という結果が、矛盾するように見えるのは自然な疑問です。
でも、実はこの2つ、本質的には矛盾していません。
🕰 「ゴールデンタイム神話」って?
よく言われる「睡眠のゴールデンタイムは22時〜2時」という説は、「その時間に寝ていると成長ホルモンが多く出る」という昔からの俗説が元です。
最近の研究では、「成長ホルモンは寝る時間そのものではなく、眠り始めてから最初の深い睡眠中に分泌される」ことがわかっており、「何時に寝るかよりも、睡眠の質とリズムの方が重要」と言われています。
🧠 では、今回の研究は?
今回の研究は「成長ホルモン」ではなく、心臓や血管の病気(CVD)のリスクとの関連を調べています。
ここで分かったのは、
- 22時〜23時に寝る人が最もCVDの発症率が低い
- 遅くても早すぎてもリスクが高まる
- 特に女性で顕著
という事実。
これは「体内時計(サーカディアンリズム)」との同調の良さが影響していると考えられます。
つまり、「あなたの自然な体のリズムとズレない時間に寝るのが最も体に優しい」ということ。
✅ 本質は“個人のリズム”に合っているかどうか
- 「22時〜2時がゴールデン」は万人向けではないし誤解も多い
- でも、「夜ふかしや早寝すぎは心臓に悪影響かも」という今回の研究結果は、 体内リズムを大きく外すことのリスクを示している
つまり、「固定のゴールデンタイムがあるわけじゃないけど、“体に合った時間に眠ること” は健康に重要」という点で、矛盾はしていないことになります。