新型コロナウイルスの新たに判明した侵入方法〜ニューロピリン1〜

こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。

 

少し不穏な感じがします。第3波が来るかもしれません。きたとしてそれが大きな波になるのか、その後の後遺症がどうなるのか心配です。

GoToもしっかり感染対策が取れるのであれば慎重に利用し、難しければもう少し落ち着いてから利用しても良いかもしれません。

 

今回はもしかすると大きな発見になるかもしれない報告がありました。新型コロナウイルスのヒト細胞への新たな侵入方法についてです。今までの報告を振り返りつつ見てみたいと思います。

 

COVID-19アニメーション:コロナウイルスに感染したらどうなりますか?(2020/03/28)

 

現在まで新型コロナウイルスの感染(細胞への侵入の)の方法についてある程度わかっています。

 

なんども目にしたこともあると思いますが、新型コロナウイルスの3Dモデル図です。

コロナ,Sタンパク

新型コロナウイルス は、膜(エンベロープ)から突出した突起(スパイク糖タンパク質(以下、Sタンパク質))を持ちます。

Sタンパク質はさらにS1とS2の領域に分けられます。

コロナsタンパク質.s1,s2

「https://www.cas.org/ja/blog/covid-19-spike-protein」より引用

S1領域はヒトの細胞膜にある受容体に結合する部分で、S2は細胞に侵入する際に膜に融合する部分です。S1領域には受容体に結合する部位(RBD)があって、ここがヒトの細胞膜にある受容体に結合します。

新型コロナウイルス,ACE2,S1,S2

「https://www.funakoshi.co.jp/contents/67133」より引用

結合する受容体は、細胞膜上にあるアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)受容体です。

 

コロナ,ace2,tmprss2

「https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIRCULATIONAHA.120.046941」より引用改変

受容体にくっついた時に近くに酵素(セリンプロテアーゼ(TMPRSS2))があると、Sタンパク質はその酵素の作用により、S1領域とS2領域に分かれます。

Sタンパク質はそのままでは、細胞侵入ができない「不活性型」ですが、TMPRSS2により、S1領域とS2領域が切断されることで細胞融合が可能な「活性型」となり、ヒトの細胞に侵入できるようになります。

 

新型コロナウイルス,ace2,TMPRSS2,S1,S2

北海道大学 PRESS RELEASE 2020/9/18」より引用

結合すると以下の図の様にウイルスとヒトの細胞膜が融合し、ウイルスが侵入できる様になります。

コロナウイルス細胞侵入の分子機構ウイルス 第59巻 第2号,pp.215-222,2009」より引用

 

これがこれまで明らかになっている侵入経路です。

 

これに加え新型コロナウイルスは、さらに別の侵入経路があることがわかりました。それらは、6月にプレプリントとして発表されていましたが、改めてサイエンス誌で発表されました。

Neuropilin-1 is a host factor for SARS-CoV-2 infection

Neuropilin-1 facilitates SARS-CoV-2 cell entry and infectivity

 

これらの報告は、新型コロナウイルスでは、TMPRSS2とは異なる酵素であるフーリン(furin)でもSタンパク質が切断され、その切断部位がヒト細胞膜上のニューロピリン-1(neuropillin-1:NRP1)という受容体に結合し細胞に侵入できることが確認できたとするものです。

 

これまで、新型コロナウイルスの細胞内への侵入経路については、上記に説明した、Sタンパク質のS1領域に結合するACE2と、膜融合に関わる酵素であるTMPRSS2を中心に研究・報告が盛んに行われて、感染はこの侵入ルートにより起こるとされていました。

しかし、新型コロナウイルスには別の侵入ルートがあることがわかりました。それはヒトの細胞膜に存在するもう一つのタンパク分解酵素であるフーリンが切断する部位とニューロピリン-1に結合することで起こるルートです。

さらにわかったことが、TMPRSS2が存在すればニューピロリン-1は新型コロナウイルス侵入の受容体となり、また侵入効率はACE2+TMPRSS2に劣るものの可能であること、さらに両方が同時に存在すると、ウイルス侵入効率が促進されることがわかりました。

 

今回の報告は重要な報告です。

 

多彩な症状や、他のウイルス感染には考えにくい症状、さらには後遺症の説明が可能になる可能性があるからです。

 

例えば嗅覚障害ですが、嗅上皮にはACE2、ニューロピリン-1、TMPRSS2の全てが発現しいます。「鼻」は最初の侵入経路にの一つであり、嗅覚機能喪失が初期症状になることも理解できます。

また、中枢神経の一部のニューロンにも発現しますので脳への感染ルートにもなり得ますし、血管内皮細胞にも発現しているため、血管透過性に影響を与える可能性も考えられます。

これらの発見は神経・血管系の症状を説明を可能にするかもしれません。

 

多彩な症状がみられる新型コロナウイルス感染症、また後遺症の解明に一歩近づいた感じです。

今後のさらなる研究に期待したいです。

 

相模原 タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院

タナココ

 

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