武漢以外の地域で発生した10名の小児の新型コロナウイルス感染についての症例報告です。
小児の新型コロナウイルス感染は通常軽度でありますが、詳細はわかっていないため重要な報告です。
2020年1/19〜2/3までに2019-nCoVに感染し、武漢以外の上海、海南、安徽省合肥などの小児病院に入院した合計10名の小児について調べました。
その結果以下の内容がわかりました。
・10名の年齢は3〜131ヵ月(平均:74ヵ月)
・8名は武漢への旅行歴があるか、2019-nCoV感染者との直接接触、武漢出身者と接触
・7名は家庭内感染、2名はエンデミック、1名は武漢からの旅行者から感染
・家庭内感染の7名のうち、子どもを含む二次感染例は1~4名(平均:2.43名)
・生後3か月の乳児の世話をした両親は、その7日後にCOVID-19を発症
・曝露から発症までの期間は2〜10日(平均6.5日)、症状の発症と流行地域からの離脱の間隔は1〜9日
・ 症状は発熱(80%)、咳(60%)、咽頭痛(40%)、鼻閉(30%)、くしゃみ・鼻漏(20%)、下痢や呼吸困難はなし
・発熱のピークは37.7~39.2℃、発熱後24時間で解熱
・胸部X線写真では40%に片側性の斑状影
・インフルエンザウイルスA型およびB型は陰性
・全症例で酸素療法を必要とせず、対症療法として数名が抗生物質治療
・2019-nCoVのRNAは、症状の発症後4〜48時間以内に鼻咽頭/咽頭スワブで検出
・2019-nCoVのRNAは、発症後6~22日(平均:12日)に鼻咽頭/咽頭スワブで検出されず
・6名は発症後3~13日の間に糞便検査5名が陽性
・上記の5名は発症後18~30日の便中に2019-nCoVのRNAが検出
・上記の5名は発症後2〜3日の尿と血清の検査では陰性
このことから、小児は成人が感染したケースより、発症までの期間がやや長く、ウイルスの排泄が長期にわたる可能性が示唆されました。
今回の報告が、小児の感染予防への介入に役立つと思われます。
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