新型コロナウイルス感染症 低年齢ほど重症化?

中国の研究チーム、18歳未満は「低年齢ほど重症化」

というニュースで驚いた方もいらっしゃると思います。

このニュースの元になった報告はこちらです。

 

小児(18歳未満)での新型コロナウイルス感染症について分析した中国での研究報告です。

これによると全体の90%以上は無症状・軽症・中等症のいずれかであり、小児は一般的に成人よりも重症度は低いとしています。

・2143名の小児(18歳未満)を分析
・検査で確定された症例は731名(34.1%)
・疑われた症例は1412名(65.9%)
・全患者の90%以上が無症候性、軽度、中等度の症例
・発症から診断までの期間の中央値は2日(範囲:0~42日)
・すべての年齢の子どもがCOVID-19に感染しやすく、性別による有意差はなかった
・小児のCOVID-19症例の臨床症状は一般的に大人の患者よりも重症度は低かったが、幼児、特に乳幼児は感染しやすかった

などというのが主な内容です。

メディアで取り上げられたのは報告中の数字として以下のものがあります。

<重症化の割合>

<1歳 10.6%
1-5歳 7.3%
6-10歳 4.2%
11-15歳 4.1%
>15歳 3.0%

年齢が低くなると重症化する割合が多いということが話題になっているわけです。

この数字だけをとって「中国の研究チーム、18歳未満は「低年齢ほど重症化」」という見出しでニュースになるわけです。

もとの報告を見てみましょう。

小児、新型コロナウイルス感染症

 

ここで気になるのが、確定例が34.1%疑い例が65.9%ということです。

重症例でも疑い例が94名に対して、確定例が18名です。

 

重症例が低年齢で多いとする数字自体は事実ですが、新型コロナウイルス感染症「疑い例」の割合が多いですし、分母がどのくらいかもはっきりわかりません。そもそも、小児は免疫系は発達途中であるため病原体には低年齢ほど強くありませんのである意味当然といえば当然です。

重症化の原因として、コロナウイルス感染の確定例が少ないためRSウイルスなど他の感染症の影響も考えられ、全てが新型コロナウイルス感染症とも言い切れないわけです。

報告数が多いのでとても参考になる報告ですが、その一部を切り取って過剰に反応することのないようにしたいです。

 

もちろん、これまで以上に小児への感染予防に力を入れる必要があるのはいうまでもありません。

 

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