円形脱毛症

こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。

 

円形脱毛症(alopecia areata:以下AA)は後天性に丸型の脱毛がみられる疾患です。重症の場合、脱毛の程度や範囲が拡大したり、頭部以外にも毛髪が存在するあらゆる部分に拡大することもあります。

毛包と爪甲以外には症状が見られませんが、外見上に大きな変化がみられますので、生活の質に大きく影響します。

一般的には軽度のかゆみや違和感以外には特徴的な自覚症状はありません。

原因としては、毛包組織に対する自己免疫疾患と考えられています。免疫に関わる分子の遺伝子多型を背景にして、疲労や感染症など肉体的、精神的ストレスが引き金となるとされていますが、明らかなきっかけがないこともあります。

病理学的にもリンパ球を主体とした密な浸潤が観察され、細胞傷害性T細胞が活性化しており、毛包由来の自己抗原に対する自己免疫反応が誘発されていると考えられます。

Significant nail pitting and onycholysis are depicted on this image.

このほか、爪にも変化が見られることがあります。最も多いのは爪甲の小さな点状陥凹で、発症時や再燃時期に一致して横一列線状に並ぶこともあります。

AAは人種による傾向や男女差はないといわれていますが、10%弱に家族内発症がみられます。またアトピー性疾患との合併率が高いことも報告されています。このほか、甲状腺疾患、尋常性白斑、SLE、関節リウマチ、I型糖尿病、重症筋無力症などの自己免疫生疾患が合併することがあります。特に甲状腺疾患は8%、尋常性白斑は4%の合併率を有するとの報告があります。

AA発症に精神的ストレスが関与するかどうかについては、はっきりとはわかっていません。関連性を認めないとする報告がある一方で、関連性についての報告もあります。今後の科学的根拠のある報告が待たれます。

アトピー性疾患や内分泌疾患の既往のない、個々の脱毛部が1年以内で少数である場合は、約8割で1年以内に回復することが報告されています。しかし再発例も多く、海外の報告によると、34%〜50%において1年以内に回復が見られるものの、14%〜25%において、全頭型や汎発型へ移行し、その場合において回復率は10%以下と考えられています。

また、脱毛面積と回復率は関係があるようです。

ある長期にわたる経過観察では、成人では、成人では脱毛面積が25%未満の場合は68%に回復がみられれ、50%未満の場合には32%に回復がみられたとする報告があります。広範囲の脱毛面積の場合は回復率はわずか8%でした。また、15 歳以下で発症した場合や蛇行型の回復率も低いとの報告があります。

AAの治療法には様々なものがあります。
ステロイド局所注射療法、局所免疫療法、ステロイド外用療法、ステロイド内服療法、静脈注射によるステロイドパルス療法、抗ヒスタミン薬内服療法、セファランチン内服療法、グリチルリチン・グリシン、メチオニン配合錠(グリチロン)内服療法、カルプロニウム塩化物外用療法、ミノキシジル外用療法、冷却療法、紫外線療法、直接偏亢近赤外線照射療法などが推奨度が「行なってもよい」とガイドライン上に記載されています。

治療に漢方を用いることについては、西洋医学的にはその有効性について高いエビデンスは報告されていませんが効果的に働く場面にはよく遭遇します。

漢方の円形脱毛症については次回説明したいと思います。

 

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