アストラゼネカ社製ワクチンの話題

こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。

 

ワクチン接種はまだ先になりそうですし、このまま波が大きくなれば、接種する医療従事者も不足することは明白です。少しずつ接種する医療従事者を増やすための動きが出ていますが、どのような舵取りを政府がしてくれるのか、うまく行くことに期待したいと思います。

 

さて、ワクチンについて不安をお持ちの方も多く、特にアストラゼネカ社製のワクチンはもし打つことになっても打ちたくないという話がちらほら出始めています。

 

つい先日、アストラゼネカ社の新型コロナワクチンの使用中止を発表したデンマークですが、その会見中に保健当局の担当者が突然倒れて、何かワクチンと関係があるのではと思われた方も多いようですが、倒れたことはどうやらそれとは関係ないようです。周囲の的確な対応の早さに驚きました。足を上げて脳へ血流を回復させ、回復体位をとらせていましたね。緊張・疲労による迷走神経反射が起こったのかもしれません。

 

さて、デンマークでのアストラゼネカ社製のワクチンの中止の理由はデンマーク保健当局によると、アストラゼネカ社製ワクチンでは、接種後に血栓ができる可能性が予想よりも高いことが判明したからということのようです。

現在日本での接種に使用されているワクチンは、アストラゼネカ社製のワクチンとは違うタイプのワクチンですが、「ワクチン怖い」という印象を強める方に多少なりとも働いてしまったかもしれません。

 

なぜこのようなことが起こるのでしょうか。

 

NEJMに血栓症について検証した報告がありました。

 

アストラゼネカ社製の新型コロナウイルスワクチン(ChAdOx1)は、ファイザー社製のワクチンとは異なるウイルスベクターワクチンです。

 

「血栓」の副作用はファイザー社製のワクチンには見られていない副反応なので、どのようにして起こるのかその機序について注目が集まっています。

 

報告では、ワクチンの接種後に血栓症を起こした、22~49歳の11名(うち9名は女性)の症例を調べています。

 

11人は接種から5~16日で発症しており、そのうち6名が亡くなっています。

 

当初は血栓ができるのを防ぐ薬である「ヘパリン」の稀な副作用である「ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)」と考えられました。

 

ヘパリンは、抗凝固剤で血栓症に使用する薬ですが、まれに血小板の第4因子(PF4)と複合体を形成し、これが新たな「抗原」となり、抗血小板第4因子・ヘパリン複合体(PF4/HEP複合体)抗体(HIT抗体)の産生が促され、PF4/HEP複合体と結合します。

さらにそれが血小板と結合して血小板を活性化させ、血小板凝集体を形成し、血小板を減少させるとともに、トロンビンの過剰産生を引き起こし血栓塞栓症を発症という複雑極まりない病態を引き起こします。稀ではありますが、重篤な副作用がヘパリン起因性血小板減少症(HIT)です。

 

血栓症を治療しようとしてヘパリンを使ったらかえって悪化するという、非常に厄介な症状なのですが、なぜ起こるのかはよくわかっていません。

 

当初はこれがアストラゼネカ社製のワクチンで起こったと考えられていました。

 

とはいうものの、ヘパリンを使う前から血栓症が見られていたわけですから、犯人はヘパリンではありませんよね。報告にあった11名にはヘパリンの使用歴もありませんでした。

 

なので、原因は「アストラゼネカ社製のワクチン」だろう、HITに似ている違う病態だろうということになったわけです。

 

ワクチンに含まれる「何か」によってHITに似た反応が起こり、血栓ができたのだろうというところまでは推測されていますが、その先はまだよくわかっていません。

 

ですので、詳細は今後の検証を待つ必要がありますが、英国医薬品・医療製品規制庁(MHRA)の報告によれば、3月末までの英国内の2020万回接種中79例の血栓症の報告があったとのことです。

 

日本ではアストラゼネカ社製のワクチンは約6千万人分購入予定です。

 

今後この副作用のリスクをどう捉えてワクチン接種に臨むか、ワクチン接種の1つの課題になりそうです。

 

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